妊活(不妊)相談 インタビュー 不妊治療中の気持ちが語られています

妊活(不妊)治療で妊娠した方のインタビュー記事


妊活(不妊)相談に来ていただき、約1年後に赤ちゃんが授かった女性に、インタビューをさせていただきました。
ご相談に来ていただいた時は39才、妊娠されたのが40才、出産されたのが41才でした。

長時間に渡るインタビューでしたので、10回シリーズでお届けします。
以下の会話は、その時の言葉通り、忠実に再現しております。

不妊治療中だった時の大変さや、悩み、辛さなどをとても正直に語って下さいました。
ぜひお読みになってみてくださいね。



《 目 次 》

第1回 結婚5年で本格的に妊活スタート
第2回 漢方薬を始めるきっかけ
第3回 妊活中の気持ちの支え
第4回 妊活中の孤独さ
第5回 妊活中のストレス
第6回 ついに妊娠!でも心配は尽きず
第7回 妊活中の方へのアドバイス
第8回 受精卵の写真を見て
第9回 私の成功率は30%
第10回 赤ちゃんは授かりもの

 ★★★★★★★★★★
【第1回  結婚5年で本格的に妊活スタート】


―――きょうはよろしくお願いします。〇〇ちゃんが産まれて9ヶ月くらいになりますけど、今のお気持ちは?

「う~ん、結構大変。(笑)不妊治療してた時も結構大変だったんですけど、産まれてからの方が大変(笑)。」
 
―――物理的に?

「あっ、そうです。時間的にも。」
 
―――わ~~い、嬉し~い、っていうのは?

「もちろん嬉しい気持ちはあります。(笑)」
 
―――ご結婚してどのくらい経ってから赤ちゃん欲しいなと思い始めました?

「いやもう、結婚してすぐからずっと欲しいなって思ってました。」
 
―――結婚なさったのはおいくつの時?

「う~んと、8年前なんで、33才とかくらいですね。」
 
―――赤ちゃんすぐにできてもいいわ、って思ってたのよね?

「思ってましたけど。でもどっちかというと、仕事(お店)の方が忙しかったんで、赤ちゃんのことは、考えてはいますけど、日々とにかく過ぎていくっていうのが早くて。あっという間で。」
 
―――で、本当に赤ちゃんが欲しい!って思い始めたのはいつ頃から?

「今から3~4年前くらいに、私の父が亡くなって。それで結構、表には出してなかったんですけど、本当は孫の顔が見たいっていうのもきっとあって……。で、もう、ちょっと……亡くなったっていうのもあって、これはやっぱり真剣に、あの~、子供作るっていうことを考えた方が良いねっていう話をして。でまあ、今までは、病院に行くまでの話はしなかったんですけど…。」
 
―――その時、お父さんが亡くなられたのがきっかけで、病院に行こうという話になったのね?

「そうです。」
 
―――その時は、ご結婚して何年くらい経ってました?

「5年ですね。」
 
―――それまでは、自然にそのうちできるわって思ってた?

「そうです。私、自分もスゴイ健康で小さいころからきてたんで、まさか赤ちゃんができないっていうのが自分にはないって思ってたんで…。そのころ、結構仕事(お店)が忙しくて、急激に体重が落ちたんですよ。今より13キロくらい減ってて、急に8キロくらいガーンて減った時期があったんで、だから、できないのは、そういうのも関係あるのかなと思ってて。
まさかそんな、自分が不妊だとは思ってなくて。」
 
―――欲しいのになかなかできない時期って気持ちとしては辛かった?


「そうですね、不妊治療を始めてからは辛かったですね。始めるまでは、いずれできるだろうくらいに思ってて。」

―――お父さんのことがあるまでは気持ち的には余裕があった?

「全然余裕でした。だからちょっと他の人より感覚が違うかもしれないですけど。ちょっといい加減焦った方が、たぶん年齢的にも良かったはずなんですけど。周りから結構、言われてはいたんです。」
 
―――言われてたんだ。

「言われてました。母親とかからも、『そんなん言うたらあかんけど…、仕事忙しすぎるからちょっと難しいの?』みたいな感じで結構言われてました。」
 
―――お父さんも待ってらした?

「だと思います。でも父親は、あんまり自分のことを言わない人だったんで。でもまあ、凄い子供好きっていうのは知ってたんで、まあ一番思ってるだろな、と言うのはわかってましたけど。
なんかこう、実感として、辛いなあとかそういうのではなくて、あまりにも仕事(お店)が忙しすぎて、自分の事、生活の事とか、仕事の事ばっかり考えてて。あんまり不妊治療に頭がいかなかったまま歳月が流れてしまって。」
 
―――ちょっとこれは…、と思ったのがお父さんのこと?

「そうですね。それがきっかけで、何とかしないとって。」


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【第2回 漢方薬を始めるきっかけ


―――うちのお店に相談に来ようと思ったのは、どんなきっかけで?

「その時は、不妊治療を始めてもう一年くらい経ってたと思うんですけど、足の毛細血管がスゴイ浮き出てて、立ち仕事だから、どんどんひどくなってて。
で、不妊てやっぱり冷えがダメだとか言われてるじゃないですかーー。
だから、血行が悪いんだろうなっていうのは自分であったんですよ。でー、見た目だけじゃなくて、感覚として、痺れが凄くひどくて。それで、不妊治療もしてるし、ケミカルなものよりは、漢方薬とかで何とかできないかなと思って。
で、たぶん自分の体がよろしくないと、子供もできないだろうとは思ってたんで、それで漢方飲んでみようかなと思いました。」

―――病院での治療は、最初はタイミング療法でしたよね?

「そうです。タイミング療法は結構長い時間取ってて。1年弱か…半年以上はしてて、それから人工授精でしたね。それに切り替わるころに、こちら(トーユーファーマシー)に来始めて。最終的には体外受精でした。」
 
―――そうでしたね。その人工授精を始めたころは、ちょっと焦りが出てきたころ?

「う~~ん。なんでこんなにできないんだろう、っては思ってましたね。でもひとつの原因が、病院に行くことでわかったので。
子宮がちょっと奇形の形で、やっぱり妊娠しにくいっていうのがわかったんです。」
 
―――原因の一つがわかって、気持ちは少し楽になった?

「そうですね。まあ、人によっては手術してからまた不妊治療っていう場合もあるらしいんですけど、幸い、そんな手術をせずにすんで。それでも妊娠してる人がいっぱいいて、普通にお産した時に『あっ、この形だったんですね』って、後からわかる人もいるくらい。それが直接的な原因じゃないかもしれないけど…ぐらいだったんで。
何となくホッとはしましたね、理由がわかって。」

―――治療をしてる時って、何もしていない時よりは、楽な気分でした?

「そうですね。なんか前に進んでる感じがしたから。できないのはなんでだろっていうよりも、理由がわかって。
やらないといけないことを淡々とこなす、じゃないですけど、『ま、次、病院行って!』みたいな感じで、なんかこう…トライじゃないけど、なんか行動を起こしてるっていう意味ではちょっとまだ…。
でも常に『ああ、またダメか…』っていうのはありましたねぇ。」
 
―――繰り返しやってみるけどダメっていう…?

「そうですね、はい。」
 
―――そういう時期って、例えば、赤ちゃん抱っこしてるお母さんを見た時とか、きつかった?

「あーあーあーーー!!きつかったですね。
お客様って、お子様連れで来る人、結構多いんで、『(この人たちと)何がどう違うのかなぁ~?』っていうふうには思いましたね。『なんで私だけできないのよぉ!』ていうふうな感じまではいかなかったですけど、『何がこう違うのかなぁ…』とか、若くで産んでる人なんかいらっしゃったら、『いいなぁ…』とは思いましたね。
なんでもっと早くにしとかなかったんだろっていうふうな気持ちはありましたね。」
 
―――早い時期にもうちょっと真剣に考えてみたらよかったって?

「そうですね、はい。」


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【第3回 妊活中の気持ちの支え】


―――そのころはお友だちの中に赤ちゃんできてる人とかいました?

「そうですね、はい。いてますしー、独身の子もいますしー、不妊治療しててやめた人もいるし、不妊治療を続けて子供いる子もいたんですけど…….。はい、もう様々ですねぇ。」
 
―――不妊治療している人たちとは話し合ったりしました?

「ええ。それで結果、子供が生まれた人は色々こうしたよ、ということは聞きましたけど。
まあ向こうも、人それぞれ色々やり方とかもあるから、そんなに『コレ良いから飲んで』とかいうのは全然なくて。」
 
―――お互いにそういうのはしなかった?

「そうですね。病院で言うと、私は最初は○○クリニック、それから△△クリニック行ってたんですけど。
ちょっとこちらが相談したら『病院にも色々あるから、もし合えば△△クリニックって所もあるよ~』くらいで教えてもらって。」
 
―――それでその病院に行ってみたのね?

「そうですね。でもそんなにあんまり干渉せずみたいな感じで・・」
 
―――漢方薬とか飲んでる間は、やってることが、前に進んでるぞって感覚だったと思うんだけど、気持ちの支えっていうのはどんなものがありました?

「あ~~。私、性格上、あんまりこう…相談とか、あんまり人にしなくて…。
なんか、ポロッとは出しますけど、あまり、こう……うちの母親にもそうですし、『こういうので悩んでて』とかあんまり言わないんですけど…。でもここ(トーユーファーマシー)に来て、初めて先生(木島)に話を聞いてもらったんです。
だから、旦那さんにも別に、(治療については)段取りというか、『今はこうしてて、こうしてるんだ。』みたいな感じのことは言いますけど…。
たま~に、ちょっとそれが溜まって溜まって、バーッて爆発させるくらいで、日々相談とかはしてなかったんで…。
ここ(トーユーファーマシー)で、たぶん何回か泣いたと思うんですけど、それで結構すっきりしたというか……。」
 
―――ガス抜きできた?

「と思います。飲んでて、結果、子供が、そりゃ飲み始めてすぐできるわけではないってわかってたんですけど、明らかに体調は良くなってきたというのがありましたね。
3ヶ月目くらいから、よく眠れるようになってきて。短時間でも疲れが取れてるなっていうくらい。
朝、目覚めが、『あ~しんどいな今日は。』っていうのがあんまり無くて、スコッて起きて、やらなきゃいけないこともパッとできるし。」
 
―――メンタル面ではどうでした?

「メンタル面では…でも今考えると、やっぱりちょっと不安定だったと思います。」
 
―――それは病院に行き出してから?

「う~ん、そう、不安定ではあったと思いますね。やっぱり結構辛かったと……。
なんか、メンタルと、なんかそういう、カラダの体調が別っていうか……、一緒な感じもするんで…、なんかとにかく…すごい、不妊治療しないといけない、というか…やりたいし…でも仕事もしたいし、しなきゃいけないしで、かなりハードだったんですよ。朝、5時とか4時半くらいに起きて、5時半くらいには家を出て、病院に行ってたような記憶があります。」
 
―――それは一番の予約を取るため?早く終えて仕事しようと?

「そうです、そうです。とにかく終わったら急いで自宅まで戻ってこなきゃいけないんで。それで仕事してて。あとは体外受精とか人工授精の時も、結構早く行かなきゃいけなかったんです。」


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【第4回 妊活中の孤独さ】


―――そういう時間に制約がかかるっていうのはきつい?

「きつかったですね。それでやっぱりちょっとしんどいから、気持ちもやっぱり不安定になりますし、やっぱり、もうちょっと…こう…余裕があったら、楽だったのかな~。でも考える暇がなかったから、かえって良かったのかなとも思えるし、どっちが良かったのかわかんないですけど。(笑)」
 
―――やっぱり仕事があるからねぇ。そこ頑張らないといけなかったんよね。

「そうなんですよ。で、やっぱり不妊治療、お金かかるんでー。頑張らないといけないし。(笑)」
 
―――で、そのベースの生活にプラス、治療が入っていくってことで大変?

「はい、そうですねぇ。大変ですね。あんまりこう…病院も、親身にはなってくれますけど、結構、淡々としてて『次この日来れますか?』みたいな感じで、もうちょっと話とか聞いてくれる感じかなと思ってたら、意外に……。
まあでも、その方がみんな楽なのかなと思ったりとかして。でも結構周り見てたら、本当に精神的に、(うつむいて)こう⤵⤵なってる人は凄いたくさんいました。」

 
―――たくさん見ました?

「見ました!」
 
―――そういう人とお話したりとかは?

「お互いしないんですよ。私も、こういう時とかって、話しかけてきたりする人いるのかなとか思ったんですけど、みんな…なんていうのかな…、あんまり話しない…。」
 

―――ある意味、孤独?

「だと思います。ほんと孤独だと思います。自分自身の問題っていうふうな感じにはなってきてますね。」
 
―――インターネットでいろいろ妊活中の人が書いてるのを見たりする人もいますよね?

「チラッとは見ましたけど、私はあんまり見なかったですね。」

 
―――旦那様は、病院に行こうと決めるまでは?

「あんまり…こう…なんて言ったらいいか…、優しくないこともないんですけど、腫れ物に触る、みたいなところはありましたね。それがかえって気遣いなのかどうか、ちょっとわかんないですけど。なんか、そっとしておくっていうか。(笑)」
 

―――女性の側が凄く欲しがってる、っていうのがひしひしとわかるからかしら?

「そうですかねぇ。それでまあ、できなくても別にいいんじゃない、ふうなことは常に言ってましたね。まあ、それはそれで、できたらいいな、ぐらいの。でも、こんなに頑張ってるのにーーーって、余計にそれ言われると腹が立ちましたけどね。だから結局、何言われても腹が立つ。(笑)」
 

―――どう言われても腹が立つんだ。(笑)

「そうそう。だから、(彼は)何言われても『ああ、わかった。』って感じで、NOはなかったですね。お金に関してもですし、スケジュール的なことに関しても。なんかたぶん、凄いお金かかったから、普通、いろいろ制約が出てくる人も多いと思うんですけど、まあ、旦那さん、別に何も言わずに『はいはい、わかった、わかった。』みたいな感じで。」
 
―――そういう面では楽でした?


「楽でしたねぇ。」
 
―――旦那様が、子供できてもいいし、できなくてもいいしっていうスタンスは楽?

「楽――――――!!でも、実際…気持ちは違うってのはわかってましたけど。(笑)」
 
―――絶対欲しいと思ってるな、みたいな?

「それは、はい。(笑)」


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【第5回 妊活中のストレス】


―――体外受精に切り替えたでしょ?それは自分の意思で?

「意思です、はい。」

―――人工授精やってても、あんまりうまくいかないから?

「そうですね。でもどっちかっていうと、自分でそっちでいこうという感じではなくて、もうなんか、レールが敷かれてたっていうか…。」
 
―――先生の方から?

「そうです。年齢的なこととか、これまでやってきたこととかで。何回やったら次もうこれ、みたいな感じで。それと、あんまりこう…なんていうか、そんな違いが……。絶対自然な形で、みたいな感じでも…なんか…なくなってきてて、その時は。」
 
―――それは徐々に心境の変化が?

「そうですね。いろいろ調べていくうちに、確率が高いとか。それとか、まあ病院のやり方で、痛みが少ないとか。それで、やってみよーーって感じに。」
 
―――赤ちゃんが実際に授かるまでは、どういうことがストレスでした?

「え~~~やっぱり、すごいなんか…こんだけやってんのにできないっていう…なんか…。タイミングの頃はあんまりストレス感じてないし、まだそんなに必死感、出てなくて。人工授精になってから、やっぱり時間と…その…またゆっても、次また一か月待たないといけないじゃないですかぁ。その時間と…あとやっぱり…お金ですかね。が、ストレスだったと思います。」
 
―――女性しか治療は受けないわけだけど、そういう意味でのストレスは?

「それはなかったです。」

―――結局は、時間とお金?

「時間とお金だと思います(笑)。頑張ってて結果が出ないと、辛いですね……。こんなにやってるのに何がダメなんだろうとか…。」
 
―――そういう時って自分を責める感じに?

「そうですね、やっぱり。『あっ!あの時に、紅茶を飲んだからかな~。』とか。そういう細かいところに…。」
 
―――ずいぶん細かいとこまでいくのね?

「あはは~(笑)でも、ほんとにそうです。『あの時、ずっと立ってたからダメだったんかな~。』とか思ってましたね。」
 
―――今思うとそれってどう?

「大したことじゃない。(笑) って今は思える。」
 
―――でもその当時は、ほんとに些細なことが?

「そうですね、はい。」
 
―――妊活中に一番大変だな~って思ったのは?

「このお腹の中のサイクルに、全部合わしていかなきゃいけないのが辛かったかな。」
 
―――お腹の中のサイクル?

「(笑)例えば、『明日じゃあ、もう一回来てください。』とか、その…排卵を見るので…。で、私の場合、普通のサイクルよりちょっと長引くっていうか。もう排卵しそうだけどなかなかしないっていうのがずっと続いて…。『明日来てください、朝一で来てください。』でまた、『次の日も来てください。』っていうのが続いて。で、それとやっぱり仕事の両立が…。」


―――そっちが優先になるわけよね。そっちは譲れないですもんね。

「なんか、そのバランスが難しかったのと、あとやっぱり、まあずっと(治療を)続けてるっていうのは知ってたんで、周りの親戚(彼の両親と私の母)とかは知ってたんで…。そのなんか…『いいよ、できたらでいいやん。』とは優しく言ってくれるんですけど、『まだ?』っていう、なんかちょっと…『まだなの?』みたいな感じの、ちょっとプレッシャーっていうか、圧……。」
 
―――それは空気?言葉ではないけど?

「はい。」
 
―――そう思ってるだろうな、みたいな?

「そうです、そうです。」
 
―――そういうのはきつかった?


「ええ、ちょっと…。」

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【第6回 ついに妊娠!でも心配は尽きず】


―――赤ちゃんできるまで長かったです?うちに来ていただいて、ちょうど1年くらいですね。

「そうですね~、ちょうど1年くらいです。全部で2年かかったんですよね。長かったです。でも、他の人に比べたら早いらしいんで。もっとやってる方もいらっしゃるんで。私はまだ早かったのかなと。」

―――ご相談受けてる側からすると、まあ順調にいったかなと思いますよ。

「そうですね。後で思うと、そうだと思います。」
 
―――もう(生まれて)8ヶ月経ちましたねぇ。

「夢みたいです。」
 
―――最初に妊娠しましたよって言われたときは、えーーっみたいな?

「いやあ、全然。私、それでもまだ、これからどうなるかわかんないって思いましたから。全然その喜びっていうのが、『あ~っ!赤ちゃんできた~!!』っていうのはありましたけど、でも、ずーーっと勘ぐって、勘ぐって、勘ぐって、勘ぐって。もう……。」
 
―――それは何が心配だったの?

「やっぱりなんか、それで流産するとか、もありますし。安定期入っても、まだ疑ってました。大丈夫かなって。ま、それぐらい動き回ってたんで。だから大丈夫かな、大丈夫かなって、ずーーっと思ってたんで、凄い、なんか手放しの喜びっていうのはあんまり感じてなくて。ずーーっと、ほんとに最後、臨月近くになって、お腹がやっとおっきくなってきてから、あっ、もしかしたら大丈夫かもって(笑)思って。それまでずーっと心配で。」
 
―――初めてだしね。

「そうですね。まあこんなもん、ていうのがたぶんわからないからだと思うんですけど。病院行くたびにとか、モニターで写るのとか見ても、大丈夫かなって思って。たぶん安定期入ってからは次、なんかこう…皆さんお母さんになられる方はそうかもしれないんですけど、なんか疾患があるかないかとか、ずっと心配してましたね。まあ、それだけちょっと生活がハードだったんで。なんかそれで赤ちゃんに悪影響ないかなとか、ずーーっと思ってました。」
 
―――ずっと立ち仕事ですもんね。

「あっ、そうなんです。そうですね。」
 
―――つわりはそんなにひどくなかった?

「なかったです。ほぼないくらい。」
 
―――そこはよかったね~。

「そうですね。」


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【第7回 妊活中の方へのアドバイス】
 

―――妊活を今している人がたくさんいらっしゃると思うんですけど、そういう人たちに何か言ってあげたいこととか、アドバイスとかありますか?

「私も、そう自分で言い聞かせてた部分があるんですけど、子供よりまず自分の身体をちゃんとするっていうか…、私も生活(笑)は乱れてましたけど。なんか…、自分の体調を整えたりとかっていう方が先かな、順番として。赤ちゃんが欲しいっていうのよりは…健康な身体にするっていうふうな感じで…考えた方が、いいんじゃないかな~とは思います。」
 
―――まず健康な身体を作れば、赤ちゃんもできやすい、っていう感じ?

「そうですね。それでもやっぱり、いろんな原因でできない方もいると思うんですけど。もし私も…なんか…それはそれで(赤ちゃんが)できなかったら…、自分が健康であれば、まあまた、それもまた自分の人生か、だから、なんかできるかな~とかっていうふうに思ったんで、あんまり戦々的にこう……自分で煮詰まっていくのはかえって良くないなぁと思って…。」
 
―――それは自分で自分の感情をコントロールしようという意識が?

「そうですね。なるべく客観的にみようっていうふうに思ってましたね。」
 
―――ほんとに、〇〇さんが、冷静に治療をずっと進めていったような感覚が、私はあるのよ。

「ありがとうございます。」

―――それでもやっぱり、人工授精してるときなんて、『どうだった?』って聞いて、『今回はダメでした』っていう時は、辛いだろうなって…。

「はい、うん…うん…。」
 
―――人工授精は何回くらいしたのかな?

「○○クリニックで3回、△△クリニックで5回くらいしてますね。」
 
―――じゃあ、人工授精としては8回くらいしたのね。

「はい、人工授精の期間は長かったですね。」
 
―――それで次は、体外受精の採卵に入っていくのね。それで結構いい卵子が採れたんでしたよね?

「そうですね。2個採れて…ん?1個だけだったのかな?(笑) もう忘れてしまった。(笑) もう1個、今は冷凍してます。」
 
―――1個、胚盤胞の方を戻したのよね?

「はい、そうです。その1回目のはダメだったんです。2回目で成功したんです。」
 
―――で、確かその移植のちょっと前に、もう1回採卵して、それを残してあるのよね?

「そうです。」
 
―――もう1回(2人目の)チャンスがあるわけよね?

「一応。(笑) でも今は、仕事(お店)の方が忙しくて…。」


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【第8回 受精卵の写真を見て】


―――○○ちゃんを出産したのは、おいくつの時でした?

「41才です。」

 
―――妊娠した時は40才になってた?

「そうです。」
 
―――赤ちゃんが絶対欲しいっていう想いって、レベル的にはずっと同じものなのか、段々上がっていくもの?

「や~~~、上がっていってると思います。」
 
―――モチベーションを維持するのって難しかったりしない?

「そうですね、はい。」
 
―――もう諦めようかな~って思ったことはなかった?

「ありました。まあでもほぼ諦めてました、後半(笑)。体外受精に入った時くらいから。」
 
―――え~~っ!体外受精に入った時にもう諦めてたの?

「もう諦めてました。(笑)体外受精でもう…なんかとにかく…とにかくなんか、無心ていうか。できた時のことも頭にあって、できないこともおんなじくらい常に頭の中にずっとあって。」
 
―――その諦めって、もし、良い結果が出なかった時に、がっかりしないようにとか?自分が傷つきたくないじゃない?

「そうですね、それもありました。なんかスゴイ妄想ばっかりで。」
 
―――妄想?どんな?

「できた時よりも、できなかった時のこれからのこと、どうしようとか、色々と。」
 
―――こっち(できなかった時の)の比率の方が多いの?

「そっちの方ばっかり考えてましたけど。ただ、体外授精の時に、卵の分裂を見るじゃないですか~。なんか写真くれて、それに凄い感動して!それでモチベーションが上がった。」
 
―――それは、命!!って感じで?

「ああ、そうですね!なんか、ウオッ!!って思って。あと、こういった仕事してる人がいるんだっていうのは知らなかったんで。培養士さんでしたっけ。病院の先生とだけじゃなくて、培養士さんと話す機会もあって。こういう仕事もあって、スゴイって思って。色々こう…聞いたら…、あれ?ちょっと望みあるかもって。私だけのことじゃなくなってきたなって思って。私だけがこう…1人でやってる気がしたんですけど、ちょっとそうじゃないなと思って。」
 
―――なんかちょっと勇気が?

「あーそうです!なんかもう、びっくりして。向こうの人も、(受精卵の写真を見て)『綺麗ですよね~~、真ん丸で。』とか言って。え―――ーっ、て思って。」
 
―――それを見た時に、イケル!って思った?

「この綺麗なやつはいけるんじゃないかなと思いました(笑)。あと、もう…数値で…今までこうなんとなくやってた…いったら、ここにカテーテルとか刺してやってるっていうのはわかるんですけど、実際やってるかやってないかって見えないじゃないですかーーー、私自身。だから、もしかして、これほんとにやってんのかな、とか~~、色々考えてて(笑)。凄いあくどい商売で(笑)、実はやってないんじゃないの、とか色々考えてたんですけどーー(笑)。なんか全然結果が出ないから、やってないんじゃないの、プンプン、みたいな感じで笑ってたんですけど。なんかこういうの見て、で、パーセンテージとかも言ってくれるんですよ。それも成功率。」

 
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【第9回 私の成功率は30%】


―――それ(成功率)は、コレ(※目の前にある受精卵の写真)をもとに?

「そうです。だから、このくらいのだったら何パーセントとか。なんかグレードをつけられてて、卵のグレードをつけられてて。なんかこのくらいなら60%とか。私、それでも30%だったんですよ。それは、年齢のことがかかってくるんで。40才だともう…、ちょっとガクッって下がるらしくって。もうそのとき40才なってたんで、いろいろ成功率みたいな感じで出してくれて。私、でも、30%かっていうのが、そこでなんか、自分の中で微妙なラインで。」

 
―――微妙なライン?

「あっ、これいける!とも思わないし、あっ、30%もあるなって思って。まだ30%なんだ、私の卵、と思って。どう30%って出してるのかなあとか色々考えてて…。でもそういう具体的な数字があがってきたら、あっ、望みあるのかなっていうふうに思って、モチベーションが上がったっていう記憶はあります。あっ、いけるかもって。」
 

―――あ~そうなんだ。

「こんなちゃんとやってくれてる人たちがいたんだっていう…。今までは不確かなものっていうか、大丈夫?って思いながらやってたんですけどー。それで、目で見て『アッ!』って思いました。そこにある、っていうのがよく分かったんで。はい。」
 

―――そうやって見せてもらうって大事?

「だと思います。私は特に、なんかこう、うやむやな感じでやってたっていうのが…、先生たちはちゃんとやって下さってるんですけど、ちゃんとこんなんでできてんの?とかっていうふうに思うくらい痛くなかったんですよ。」
 
―――それはよかった。(笑)

「卵採る時も、モニターで映してくれてましたね。『今これ採ります。』 って言って、ピュッて採って。」
 
―――年齢からいくと、とても順調にいきましたよね?

「そうだと思います。」
 
―――それは漢方などいろんなもの飲んでたのはよかった?

「と思います。やっぱ体調よかったです。」
 
―――やっぱり基本は体調が良くないと、って感じ?

「そうです。やっぱり自分が、気持ちよく過ごしてた方が良いかなと思います。」
 
―――それは正解だったかもね。

「お陰様で。」
 
―――私が想像してたよりも(妊活の)最初の頃のプレッシャーは意外と少ないのね。

「そうですね。」
 
―――仕事の方が大変、というか、意識がそっちに向いてたからかな?

「それが良かったと思います。」
 
―――それが良かった?

「やっぱりたぶん、専業主婦とかで、これだけに専念してていいよ、とか言われてたら、たぶん、気持ちがおかしくなってたと思います。」
 
―――それだけのものを全部、頭が占めてしまうのは大変?

「そうだと思います、はい。こんな、仕事もしんどくて頑張って、それで不妊治療もしてんのに、イーーーッとか言いながら、パタパタやってる方が良かったと思います。(笑) もーーー!!みたいな感じで。私こんな頑張ってんのにーーとかってやってる方が、クヨクヨせずに良かったと思います。」


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【第10回 赤ちゃんは授かりもの】(最終回)


―――じゃ、あんまりそっちだけにいかない方が良い感じ?治療の先輩としては。

「う~ん、でも…もう…病院で待ってても、もう…『大丈夫?』って言いたくなる人、いっぱいいたんで。なんか泣いてる人もいたし。私もやっぱりなんかショックな時、泣いてたから。」
 
―――病院で?

「病院で。何で泣いたっけなあ…。何かで泣いたんです。ダメだったっていう時もそうですし、検査して後でわかったから、その時は『子宮が奇形です。』って言われた時も、ショックでしたね。もうちょっと詳しい検査を他の病院でしてください、って紹介状とか渡されたときに、まぁまぁまぁ…と思って…。」
 
―――それは最初の病院でわかったの?

「そうです、最初の病院で。最初の検査で、水を通す検査が通らなくて……。なんかもう、他の先生とかも、あれ?みたいな感じで、結構2~3人来てたんですよ。で、後から説明聞いたら、そういうことだったんで、別の病院でもう一度検査、みたいな感じで。」
 
―――それで行ったのね?

「はい、行きました。で、これ、なんて言うんですか、CT? 輪切りにして撮る所に行って、それで子宮の形がどんなのか見て。で、まあまあまあ、手術なくできます、っていうので安心しましたけど。」
 
―――あとはまあ、そういう状態じゃない方と、治療としては何も変わらない感じ?

「そうです、一緒でした。」
 
―――よかった、よかった。

「でも、なんかみんなやっぱり、結構話す人が…たぶんいるとは思うんですけど、でもやっぱり、自分自身でしか自分の事わかんないから、辛い思いされてる方、多いだろうなと思って見てました。ま、自分もそうなんですけど。大丈夫?って思う人は多かったですね。」
 
―――前に、○○さんがお店で話をちょっとしてくれた時、ちょっとだけ煮詰まってた時があったかな?

「ありました。」
 
―――それは、話すことで楽になった?

「と思います。凄い楽になりました。」
 
―――やっぱりそういう場所があるっていうのは、救いになるかな?

「と思います。あんまり、そこに…、なんか…家族とかじゃない方が…楽だと思う。なんか変に家族だと、凄い、向こうの期待感が凄い…わかるし…。なんかこう…素直に言えないっていうか。(笑)言える人もいると思うんですけど。」

―――そうね。いろんな問題、そうかもしれないね。あんまり近しい人には意外と言えなかったりね。
 
「はい。はい。」
 
―――他人の方がね、言い易かったりね。

「はい、あ、そうですね。」
 
―――妊娠するために良いと言われるありとあらゆることを、徹底的にやる方っていらっしゃるでしょ?

「う~ん、そうなる気持ちもわかる。わかります。でもそうはならなかった。」
 
―――○○さんの場合は、そこまでの時間がなかったっていうこともあるかな?

「ああ、それもありますね。でも、そういうのとはまた別の次元だなっていう部分も思ってました。もう、ほんとに、先生(木島)が言って下さったじゃないですかー。『自分がこう、どうにかできるものじゃなくて、授かるものだから。』って。自分がジタバタしても、何かそういう問題じゃないな、とも思ったんで。ま、できる限りのことはやる、やります。その方がたぶん、自分も気持ちがスッキリすると思うから、頑張れるとこまで頑張ろうとは思いますけど。」
 
―――最後の一歩は?

「それはもう、おまかせじゃないですけどー、はい。」 
 
―――そうか、私言った?言ったよね~。(笑)

「言いました。『授かるものだよ』って。」
 
―――授かって良かったね~(笑)。

きょうは長い間ありがとうございました~~~。
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