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男性不妊症について

不妊症でお悩みのご夫婦の約半数近くで、男性側に何らかの原因があることが、WHOの調査でわかっています。

妊活を始めて、しばらくしてもなかなか赤ちゃんが授からないと、まずは女性だけが病院へ行って検査を受けることがほとんどだったのではないでしょうか?当店にご相談に来られるお客様のお話を聞いていても、まだまだそういうケースも多いようです。
しかし最近は、冒頭のように男性側に原因がある可能性も決して低くはないのですから、治療の時間的ロスを避けるためにもなるべく早い段階で、男性もまずは一度、不妊症の検査を受けてみることをお勧めしています。

店頭では、女性がすでに病院での検査を一通り終えてからご相談に来られるケースが多いですね。
そして、中には男性側の不妊検査もすでに済まされ、『精子の数が少なめである』とか『運動率が悪い』など、男性側の原因がはっきりしている場合のご相談も、以前より明らかに増えてきています。

そういった男性不妊症の場合には、サプリメントや漢方薬などを服用していただき治療していくと、医師も驚くほどの回復が見られるケースも多いので、女性だけでなく、最初からご夫婦で一緒に不妊治療に取り組んでいただくことがベストだと思います。

ではこれから少しずつ「男性不妊症」についての情報をお伝えしていきますね。


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男性不妊症の原因と検査について

(1)造精機能障害

男性不妊症の原因の一つに「造精機能障害」があります。
これは、精子を造る機能が低下しているか、又は、何か障害があることを言います。

厚労省の調査研究によると、男性不妊症の原因の8割は、この「造精機能障害」だという結果です。
さらに、そのうちの半数以上は、はっきりとした原因がわからない、いわゆる特発性のものだと言われています。

男性不妊症の原因を調べる方法の一つとしてまずは、精子の状態を調べる≪精液検査≫があります。
これは男性の検査として基本的なものですがとても重要です。
下に、検査項目と正常値を示してあります。

ただし、精子濃度はその時の体調などによっても大きく変動するので、最初の検査で、もし結果が悪くても、1回だけの検査で判断せず、精液検査は数回受ける方が良いと言われています。


≪精液検査の項目と正常値≫

・精液量 1.5㎖以上
・精子濃度 1㎖中に1500万個以上
・精子運動率 40%以上
・正常形態精子 4%以上
・総精子数 3900万個以上
・白血球 1㎖中に100万個未満



≪精液検査によってわかる症状≫

●「無精子症」

何度検査をしても、精液中に精子が全く存在しない状態のことを言います。
これには、「非閉塞性無精子症」と「閉塞性無精子症」があります。

「非閉塞性の方」は、精巣で精子を作ることができないため、精液中に精子が存在しません。

「閉塞性の方」は、精巣で精子はちゃんと作られているけれども、精子が通過する通り道に障害があって、射出精液の中に精子が存在しない状態になっています。

●「乏精子症」

精液中に精子はいるけれども、数が少ない状態のことを言います。
精子濃度が1500万/㎖より低い場合を言いますが、変動が大きいため何度か検査を受ける必要があります。
原因としては、後述する精索静脈瘤や精巣の働きが悪い場合があります。

●「精子無力症」

精子の数はちゃんとあるけれども、運動率が40%以下の場合を言います。
運動の中でも特に、まっすぐに進める直進精子が多い方が妊娠にとっては良いとされています。

●「精子死滅症」

動いている精子がほとんどいない、ほとんどが死んでしまっている場合を言います。

●「奇形精子症」

奇形精子が70%を超えた場合を言います。奇形精子というのは、精子の形が正常でないことです。
例えば、頭部が二つに分かれていたり、頭部が大きすぎたり小さ過ぎたり、尻尾の部分が2本あったりです。

●「膿精液症」

白血球が100万個/㎖以上ある場合を言います。
感染症などによって精嚢や前立腺の炎症などが起こり、その結果、白血球が増えるのですが、そうなると精子の運動率が悪くなってしまいます。



≪なぜ造精機能障害が起きるのか?その原因≫

1、精索静脈瘤によるもの

造精機能障害の原因の一つとして、男性不妊症の患者さんの約3割に「精索静脈瘤」がみられます。
自覚症状がなく自分で気づかないことが多いようですが、鈍痛、腫れ、違和感などで気づく方もたまにいるようです。

これは、精巣周りの静脈血液が、正しく還る方向ではなく「逆流する」ことによって、細い血管が拡張してコブ状に膨れる病気です。

このコブがあることによって、精巣の温度が上昇したり、血流が悪くなって精巣内が低酸素状態になると、精子を造る機能が低下すると言われています。また、精子の質が悪くなる場合もあると言われています。
つまり、「乏精子症」や「精子無力症」の原因の一つと考えられています。

しかし中には、精索静脈瘤があっても、精液所見そのものには何の影響も受けていない人もいます。

精索静脈瘤の治療方法としては、「顕微鏡下精索静脈瘤根治術」という、精索静脈を縛る結紮術がとられます。これは再発が少なく、手術の負担も少なく、リンパ管も温存できる手術と言われています。

治療をすることによって、50%~70%の方が、精子濃度や運動率が上昇するなど明らかに精液所見が改善したり、精子の質が良くなる(DNAが損傷している精子が少なくなる)こともあるので、男性不妊症の治療の一つとしてよく勧められています。


2、脳からのホルモンの分泌異常によるもの

精子が作られるためには、「男性ホルモン」の存在が重要です。
男性ホルモンがきちんと作られないと、十分な精子形成もできません。

では、その男性ホルモンそのものはどのように作られているんでしょうか?

まず、脳の視床下部という所から、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)が分泌されます。
性腺刺激ホルモンとは別名ゴナドトロピンとも言い、それには二つあります。
卵胞刺激ホルモン(FSH)黄体化ホルモン(LH)です。

この二つのホルモンを「しっかりと放出してね~」という命令を脳下垂体に対してするのが、先ほどの性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)です。

ですから、この性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)が、⇒脳下垂体に働きかけ、⇒FSHLHが分泌されます。
次に、FSHは精細管に働きかけ、LHは精巣に働きかけることによって、⇒「男性ホルモン(テストステロン)」が作られます。そして、その男性ホルモンの働きによって精子が作られています。

この脳下垂体の機能が低下することによって、ホルモン分泌に影響を及ぼし、精子が正常に作られる機能が落ちると、「乏精子症」や「精子無力症」などが生じます。

血液検査でこれらのホルモン値を調べることによって、男性不妊の原因がある程度わかります。

●血液FSHとLHの値が低くて、男性ホルモン(テストステロン)の値も低い場合
「低ゴナドトロピン性性腺機能低下症」が疑われます。
男性ホルモンが作られにくいということは、造精機能の低下、つまり精子が作られにくいということです。
この状態の時は、脳の視床下部か下垂体に異常がないかを調べていきます。

●FSHとLHの値が高くて、男性ホルモン(テストステロン)の値は低い場合
「高ゴナドトロピン性性腺機能低下症」が疑われます。
この場合は染色体の異常がないかを検査していきます。


3、停留精巣や感染症によるもの

精巣が陰嚢の中に降りていない状態を「停留精巣」と言います。

1歳半くらいまでには見つかるのが普通ですが、自然に改善されてしまうことが多く、成人になって男性不妊の検査でそれがわかるというのはまれなケースのようです。

通常は、お母さんのお腹にいる胎児期に、赤ちゃん自身の腹腔内から陰嚢内に精巣がちゃんと降りてくるのですが、これが途中で止まってしまったまま降切れずに、生まれてきしまうことがあります。

精巣が陰嚢内に降りてないと、精子にとっては高い温度環境になってしまうので、精子が作られにくくなってしまいます。
両側とも停留精巣の場合は、無精子症であることがほとんどだそうです。

子供の頃にこの病気で手術をした場合も、それが原因で造精機能に障害が出ることもあるようです。

また、思春期以降におたふくかぜにかかり、精巣に炎症が起きたことが原因で、造精機能障害になることもあります。

4、特発性造精機能障害

造精機能障害のうち、一番多いのがこれで、原因がよくわからないものです。




(2)精路通過障害

男性不妊症の二つ目の原因としては、「精路通過障害」があります。これは、精巣で精子はちゃんと作られているのにもかかわらず、途中の精子の通り路が何らか原因で、塞がっていたり細くなっていることによって、精子が外に出てこれず、射精した精液の中に、精子がとても少ない、あるいは全く見当たらないという状態が起こります。その場合、「乏精子症」「閉塞性無精子症」と言われます。

≪なぜ精路通過障害が起きるのか?その原因≫

1、精巣上体での通路障害

クラミジアなどの性感染症などにより、精巣上体炎が起こり、それが原因で精子の通路である精管が塞がってしまうものです。

2、精管での通路障害

鼠径ヘルニアの手術後の後遺症で精管が閉塞してしまったり、パイプカット(男性の避妊手術)によって精管が結紮されている場合は、精子が通っていけません。これが「閉塞性無精子症」です。

このような「閉塞性無精子症」の治療法としては、精路再建術があります。
つまってる部分を取り除いて精管と精管を繋げて吻合したり、精巣上体と精管を繋げる吻合手術です。

術後には精液の中に精子が出現するようになることが期待できます。
そうなると自然妊娠も期待できます。

しかし、閉塞していた期間が長い場合だとうまく精路が再建できなかったり、できたとしても精子が見当たらないということもあるようです。


3、先天的なもの(CBAVD)

これは、「先天性両側精管欠損症」と言われるもので、生まれつき遺伝子の異常によって、精子が通っていく精管がありません。なので精子は精巣の中にいるままです。

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精路再建術をしても精子が出現しなった場合や、手術が適応しない場合には、精巣や精巣上体から直接、精子を回収する治療があります。
そして、その回収した精子を用いて顕微授精をします。
精巣内の精子を回収する方法を「TESE」と言い、精巣上体の精子を回収する方法を「MESA」と言います。
具体的にどういう方法なのかを簡単に説明します。


【TESEについて】

(1)シンプルTESE

陰嚢にわずかな切開をして、目視で確認をしながら精巣内の精巣組織を採取して精子を回収する方法です。
閉塞性無精子症の方が対象となります。


(2)MD-TESE(マイクロTESE)

陰嚢をわずかに切開して、手術用の顕微鏡を使って精子が存在しそうな白く太くなっている精細管を確認した上でそれを採取して、そこから精子を回収する方法です。
こちらは非閉塞性無精子症の方が対象となります。

どちらも局所麻酔でできる手術で、日帰りでできる病院も多いようです。


【MESAについて】

精子は精巣の中の精細管で作られますが、その後、精巣上体を通ることによって元気になり運動率が上がるため、精巣上体の中の精子を採取するというこの方法をとる方が顕微授精の結果が良いと考えられています。
閉塞性無精子症の方が対象となります。


(1)PESA

陰嚢から精巣上体に針を刺して、そこから精子を吸引する方法です。

(2)MESA

陰嚢をわずかに切開し、手術用の顕微鏡を使って精巣上体から精子を採取する方法です。

MESAよりもTESEの方が精子の回収率は良いので、最近はTESEの方が精子回収術としては主流になっています。
精液の中に精子が存在しなくても、このような方法で精子を回収することができれば、それによってお二人の赤ちゃんが授かる可能性が出てくるのですから、明るい希望が持てますね!
  
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