健康の秘訣シリーズ(1)自然治癒力のお話宝塚の漢方薬局

自然治癒力と恒常性維持機能

●自然治癒力

風邪を引いたとき、例えば全くお薬を飲まなくても安静にして養生していれば、いつか治って元通り元気になります。また、骨折しても時間がたてば折れた部分は自然に修復します。

このように人間には病気やケガを「自分で治す力」が備わっています。
これを『自然治癒力』と言います。

この自然治癒力がしっかりと保たれていれば健康でいられます。

もちろん、薬やいろんな治療は辛い症状を和らげたり、治癒の助けになりますが、生体が持つ自然治癒力が低下していれば治りは遅く、自然治癒力が高まっていれば、それだけ早く治りますね。
また、人は病気をしたりケガをすることもありますが、ありがたいことに何事もなく健康に過ごしていられる時も多いですよね。

それは病気が発症する前、つまり未病の段階で、体内の自然治癒力によって健康な状態に戻り、また、それを維持することができているのです。

では、その自然治癒力というのは、いったい何によって支えられてるのでしょうか。

人間の体は基本として、免疫系・脳神経系・内分泌系の３つが三位一体となって、それぞれが連携しながらバランスをとっています。それに加えて、血流と代謝がスムーズに行われることによって、私たちの自然治癒力は保たれています。

●恒常性維持機能（ホメオスタシス）

人間には身体の状態をある程度の範囲の中に保とうという働きがあります。
これも人の健康を維持するために重要な機能で、「恒常性維持機能」または「ホメオスタシス」と言われています。

例えば、
・発熱すれば平熱まで下げようとします。
・食べ物を食べて血液中のブドウ糖が増えれば、インスリンというホルモンが膵臓から分泌されて血糖値を下げるように働きます。
・走って心臓の鼓動が早まっても、その後、徐々にまたいつも通りゆっくりと拍動するようになりまう。

これらは、先ほどの自然治癒力と同様に、免疫系・脳神経系・内分泌系の３つがうまく連携することによって、成り立っています。