『腸は第二の脳である』
こんな言葉を、あなたは聞いたことがありますか?
「ん?第二の脳?」
「どーゆー意味?」
「脳みたいな働きを腸がするの?」
と思われたあなた。
そうなんです!
腸は脳みたいな働きをするんです。
これからお伝えするお話は、なかなか興味深いものですよ。
◆さてまず最初に、「腸」を「消化器官としての面」から見ると、どんな働きをしているかみていきましょう。
(1)口に入れた食べ物は、まずよく噛んで咀嚼され、飲み込み、胃に送られます。
(2)胃では胃酸が分泌され、胃のリズミカルな動きによって食べ物はさらに細かく消化分解されてドロドロになっていきます。
(3)その後は十二指腸からさらに小腸へと送られ、そこでは栄養素が吸収され、未消化のものが大腸に送られます。
(4)大腸ではそこから水分を吸収して、残りカスは便となり体外へと排泄していきます。
これが一般的によく知られている消化管としての腸の働きですね。
◆次に、「腸」を「脳との関り」という面から見ると、どんな働きをしているのかみていきましょう。
(1)腸の中で神経伝達物質を作っている
脳の中には、神経細胞がたくさんありますが、そのすべてが1本の線のように繋がっているのではなく、神経細胞と神経細胞の間には隙間があります。
その隙間には、情報を伝える“渡し船”のような役割を果たす「神経伝達物質」と呼ばれるものが存在します。
その中でも特に、人間が持つ感情や気分に大きく関係しているのが、「セロトニン」です。
この名前、聞いたことありますか?
実は、この「セロトニン」は腸の中で、アミノ酸のトリプトファンから作られていることがわかっていますが、これには腸内細菌が大きく関わっているんです。
脳内で神経伝達物質として働く「セロトニン」が、脳の中で作られているのではなく、離れた場所にある腸で作られているなんて凄く面白いですよね!
さらに、体内の「セロトニン」の95%が腸に貯蔵されていると言われています。
そして、この「セロトニン」がたくさん作られるかどうかは腸内細菌にかかっています。
(2)腸は脳と情報交換をしている(脳腸相関)
腸の粘膜には、「腸管神経系」という5000万から1億もの神経細胞から構成されているシステムが備わっており、これらが「脳」と密接に連携しています。
ですから、腸の中にはまるでもう一つの脳があるようだということから、「腸は第二の脳である」と言われるようになったのです。
「脳」と「腸」は脊髄と自律神経とでお互い繋がっており、脳の情報はそれらを通じて腸管神経系の神経細胞たちに伝わる仕組みになっています。
また血液の中に混じったいろんな情報伝達物質が、血流によって運ばれることでも情報が伝わります。
このようにして、「脳」からの情報は「腸」に届き、そして逆に、「腸」からの情報も「脳」へと届き、双方向に伝達でき、お互いがコミュニケーションをとれる仕組みとなっています。
そこで、「脳腸相関」という言葉で表現されたりします。
ストレスを感じると、まず脳が察知し、その情報がすぐに腸にも伝わるんですね。
緊張するとお腹が痛くなったり、下痢になったりしやすい方がいらっしゃるのもうなずけますね。
腸の声が脳に届くのですから、腸を常に調子良い状態に保てば、脳が受けるストレスも軽減するのではないでしょうか。
「腸の健康」は、身体全体の健康維持や病気の予防につながりますね。
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